砕月～イノチ～

こよい風吹きぬける丘の上
在今宵微风吹拂的山丘上
杯に落ちた月を呑む
畅饮月光投影至的酒杯
去りし人と見しあの月を
逝去的人跟那目睹过的月亮
今までも忘れず
至今也没有忘记

遠い日の人々と違え行き
走着跟以前人们相违的道路
詠われる生の霊（いのち）となりても
就算成为被歌颂的生灵
こよい我に並ぶ者なし
今宵陪伴的人一个都没有
今はただひとりよ
现在仅只我一人啊

体を曲げてふと振り返り
曲着身体　忽然回头一看
砕けた月を仰ぎ見る
抬头仰望破碎了的月亮
欠片を拾い集めれど
就算把碎片收集好
戻らぬ息の風（いのち）よ
气息之风仍然不复返啊


去りし友に捧ぐ杯
献给逝去的朋友的一杯



光さす無垢なる朝に起き
在阳光映照的清净早辰醒来
華やぐ栄えの昼を行き
走到热闹繁荣的正午
闇の帳さす夜を越え
张起黑暗的帐子越过黑夜
人はまた鬼と並ぶ
人又再跟鬼一起

体を曲げてふと振り返り
曲着身体　忽然回头一看
ゆるりと体を戻すとき
眼睛慢慢回到前方的时候
視界の端に佇むは
伫立在视线边端的
小さな生の血（いのち）よ
是细小的生灵啊

去りし友に捧ぐ杯
献给逝去的朋友的一杯
並ぶ友と交わす杯
跟陪伴的朋友互相碰杯

ちはやぶる神々を楽しませ
取悦千早之神灵
あめつちに遊ぶ者どもよ
在天地玩乐的各位啊
畏れ忌まわれるこの鬼も
连被忌畏的鬼怪门
あはれとおもはせ
也一起现身吧

体を伸ばしふと眺めれば
伸展身体　忽然眺崔的话
にぎやかす声はそこかしこ
热闹的声音就在那里
ならば今宵は良い月よ
假如今宵有着圆满的月亮
美しき生の道（いのち）よ
也会有美丽的生灵啊